施設の方から、実地指導の様子などが耳に入る時期になりました。
やはり、感じるのは、外形標準=つまり人員配置や設備、運営の基準のみを問うていた当初から比べると、プロセス(手順)、さらに内容(質)のレベルまで、踏み込むようになってきたなぁ、ということです。
これについては、私見ではよいことだと信じています。なにより「指導」なのですから、良い指導をしていただきたいものだと思ってます。
相変わらず、妙な指摘、変な指導や制度の誤解・曲解に基づくものや、ほとんどいいがかりではと思えるような実地指導の噂も耳にしますが、行政、事業者一体となって、社会をよりよい方向にしてほしいものだと、素直に願ってます。
弊社も微力ながら、そのお手伝いができれば、という気持ちは、設立10周年を迎えた今も、変わりません。
さて、私が耳にした指導の内容を、順不同で、いくつかをご紹介しようと思います。
(自治体により温度差があると思いますので、こうなるということではありません)
身体拘束廃止への取り組みについて
減算が設定されているという背景も当然あるのでしょうが、やはり身体拘束については、時代の趨勢とともに、実地指導もより細かくなっているようです。
たとえば、研修についても、だれが講師をして、どんな内容でしているのかとか、具体的に周知するためにどのような活動を、だれが行っているのかなどを確認するそうです。
全般的にプロセスを評価する場合は、この「だれが」が特に重要になってきます。これは、身体拘束廃止への取り組みに限らず、すべてに共通することです。
「連帯責任は無責任」という慣用句どおり、「行った」のは、かならず「誰かが」行ったはずですから、それを明確化することは、業務プロセス点検の上ではもっとも重要な点です。(別に「責任追及」のためではありません。誤解なさらぬよう)
居宅サービス計画書について
長期目標と短期目標の区別があいまいである、どういう基準で、これは長期、これは短期としているのかと、質問された事業所があるそうです。
その場にいたわけではありませんので、詳細な事実関係は書けませんが、私の推測では、以下のような点がポイントなのではないでしょうか。
「もちろん同じような目標であっても、利用者や状況により、長期目標に位置づける場合と短期目標に位置づける場合があることは、理解できる。しかし、その根拠が記載されていない、示せない、または説明できないという場合は、恣意的な計画であるということになる。その根拠とは、具体的にどのようなアセスメントを行い、アセスメントのどの部分について、どのような考察、検討の結果であるということを明確にすることである。」
誤解の多い言い方になるかもしれませんが、多くのベテランケアマネは、利用者・家族からアセスメントや聞き取りをしているうちに、サービス計画のイメージは。ほぼ出来上がっていくのだろうと思います。
また、利用者・家族および関係者は、いわば「わかってる」人たちなので、(長年あつきあいしていれば、特にそうなるだろうと思いますし、それは良いことでもあります)「いちいち」「くどくど」書き連ねることは、かえってマイナスのような感じを受けるのだろうと想像します。
そこは、私としては、「プロなんだから、うまく書いてね」と(冷たく?)言うしかないのですが、アセスメント表の書き方や担当者会議の記録の書き方などで、うまく補えそうな気がします。このあたりは、今後のシステム作りの課題でもあると、認識はしています。なにより、「根拠が必要?じゃぁ、根拠欄を追加すればいいよね」なんていうシステム作りは、したくありませんから・・・(^^)
在宅サービス事業所のアセスメントと援助計画書
居宅サービス計画書と整合性を取りながらも、より具体的かつ「突っ込んだ」目標を立てるべきである。居宅サービス計画書の該当部分を抜き出したような援助計画は望ましくない。そのためには、各事業所独自で、より詳細なアセスメントを行い、しっかりとした計画を独自に作成すべきである。
訪問系サービスの記録について
やはり、訪問の記録については、利用者宅と事業所の両方に残しておくべきである。
とまぁ、「ごもっとも」な指導という感じです。
そういう作業を、本当に報酬として評価しているのか(込みの値段として報酬が妥当なのか、つまり週1回の利用者と週7回の利用者ではサービス事業所のアセスメント・計画作成の手間は7倍では絶対ないですよね)、とかそもそも、指摘した事例が、その指摘通りなのかとか、いろいろ「思い」や「疑い」はありますが、「まっとうな」(皮肉ではないです)指摘だと思います。
そもそも、「(いい仕事をしてから)これだけのことをしているのですから、正当に評価してください」というのと「その評価では、ここまでしかできませんね」というのと、どちらに主軸を置くのか、という点で、いつも私自身が悩んでます。(というか、これだけのことをしたんだから、と主張することが難しい・・・)
これも誤解の多い言い方ですが、介護保険では保険者というか行政は、いわば費用の9割を払っている顧客なわけで(この表現は藤井謙一郎先生の受け売りです)、その意味でいえば、顧客は当然自分の利益の最大化を図るために、いろいろと交渉します。ですので、時には無理難題を吹っ掛けることもあるのでしょう。
(行政が本当に、そう思っているとは思いませんが、理論上の可能性です。行政としては、指導は被保険者の利益を守るために行っているはずです。まぁ、それでも同じ理屈になりますが・・・)
介護保険事業というのは非ゼロサムゲーム(一方の得は、必ずもう一方の損になるのがゼロサムゲーム。つまり非ゼロサムゲームは、Win-Winの関係が成立する)なはずですので、保険者、被保険者、事業者(あるいは行政、国民、事業者)がオールハッピー(三方一両得)になってほしいものです。
この「三方一両得」を念頭に置いて、なんとか、よりよい手法とシステムを皆さんにご提供できれば、お手伝いになるのでは、と考えております。
なお、実地指導の内容等、差支えない範囲で情報をお寄せ下さい。システムつくりの参考にさせていただきます。

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